エイズワクチンの可能性はいかに??!!
この疑問は誰しもが持っていることでしょう。
HIVは人の体の中に侵入して、白血球の遺伝子内に巧妙に入り込み、生体の免疫系に気づかれないように、ゆっくりと自分自身を複製して増殖します。
そしてHIVは長い年月をかけて生体全体を蝕んでいくことから、HIVそのものに直接反応して、殺す『中和抗体』を作り出すのと、HIVの潜んでいる白血球そのものを破壊するよな働きをするワクチンを作り出す必要があります。
エイズワクチンを作る上での問題点は、HIVそのものが一般的に8?10年という長い潜伏期間を経て発病する弱いウイルスであるにも関わらず、一度体の中に入り込むとエイズという病態を引き起こす致死的なウイルスであるために、今ある他のワクチンのようにHIVの弱毒株を見つけて、一度軽く感染させるという手段がとれません。
また、HIVそのものを不活性化(弱毒化)して、HIVそのものをワクチンとすることも危険性が大きくこの手段もとれません。
この方法は、ヘタをするとHIVに対する『中和抗体』作るどころか、HIVそのものに感染してしまう可能性が非常に高くなります。
その為には、HIVそのものをワクチンとせずに、HIVに対する体の免疫力を高めるワクチンを開発する必要があります。
HIVを中和して殺す『中和抗体』、あるいはキラーT細胞の認識部分が解明されれば、その免疫系の認識部分を使用して生体免疫を増強させ、その部分に対する中和抗体およびキラーT細胞を前もって誘導できる安全な人工合成ワクチンの開発は可能となるはずです。
それでは、HIVのどの部分がワクチンに使用できるのでしょうか?
HIVの一番外側の殻の部分(エンベロープ)に対するキラーT細胞と『中和抗体』がHIVの感染防御に重要な役割を担っていることが解っています。
即ちこの部分を用いたサブユニット合成ワクチンの研究開発も進められています。
では、ワクチンは近い将来出来るのでしょうか?
残念なことに、HIVのこの部分はHIVが増殖する過程で激しく変異することから、感染予防に有効なワクチンは未だ出来ていません。
HIVは変異が激しいことから、なかなか有効なワクチンは出来ないのが現状です。
HIVの変異しない体の部分で、感染に対する『中和抗体』の出来る部分を見つけなければ合成ワクチンは出来ません。
感染予防に有効なエイズワクチンの開発はまだまだ先のこととなりそうです。
現時点では、感染予防そのもののが、エイズワクチンと考えて、正しく感染予防するしか対策はありません。
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